目的

　現在、拓殖大学には700名以上の留学生が在学している。日本全体に目を向けると平成28年5月1日現在の外国人留学生は239,287人と、前年より30,908人増加しており、今後も増加すると予測される。留学生が増加している一方で、日本では少子高齢化が進み、生産年齢人口が20年後には2割減少し、40年後には現在の6割程度になるとの推計があり、各業界で労働力不足が危惧されている。このため、労働力を補うために外国人留学生の日本での就職は必要不可欠であるといえる。しかし、日本での就職希望者は博士課程で56％、学部卒で70％に及ぶにもかかわらず、実際に日本で就職した留学生は18％～30％と極めて低い。この数値から、日本で就職したいと考えていたが、結局は日本での就職を諦めてしまう留学生が多いことが考えられる。
　多くの原因は考えられるが、その一つに日本の就職活動のプロセスが留学生にとって特殊であることが挙げられる。日本語にハンディキャップがある上、日本の制度に不慣れな留学生にはこの複雑な就職活動は理解しにくく、その結果、就職活動に出遅れてしまい、最悪な場合は希望する企業のエントリーに間に合わないケースがあると考えられる。このため、留学生が３、４年生になってから就職活動のプロセスを理解しようとするのでは遅すぎると考えられる。そこで本プロジェクトは、日本で就職を希望する在日留学生および日本へ留学を希望する学生にいち早く就職活動のシステムを理解してもらい、就職に対する不安や疑問を取り除き、日本での就職を促し、労働力不足の改善の一助となることを最終目的とする。更に本プロジェクトを通じて、拓殖大学が留学生に対してサポート体制があることを国内外へアピールするとともに、日本で就職した元拓殖大学の留学生と現役在学留学生との架け橋を作り、孤立しやすい留学生のネットワークを広げることを促進したいと考える。
　昨年度も藤本ゼミでは学生チャレンジ企画に参加し、「How to survive in Japan」プロジェクトを立ち上げ、動画サイトへ投稿したところ、現在まで300以上のアクセス数があった。投稿開始から現在に至るまで、約７か月の間でのこのアクセス数を多いと判断するのか、または少ないと判断するのかは難しいところではあるが、現在拓殖大学にいる総留学生数が700名以上であるのに対して、短い期間でのこの数値は拓殖大学を宣伝するのに大いに効果のある数値であり、留学生を支援する企画としては成功であったと思われる。よって、今年度も引き続き、留学生を支援する企画を立ち上げたいと思い、学生チャレンジ企画に応募するに至った。

期待される成果

①留学生の円滑な就職活動の促進および労働力不足の改善：
元拓大留学生が経験した就職活動のプロセスはどういうものだったのか。就職活動での苦労とは何か、それをどのように乗り越えてきたのか。留学生ならではの不安や疑問はどういうものだったのか。これらの内容を中心に、先輩留学生という立場から後輩留学生に対して助言をいただき、後輩留学生がより早く就職活動のプロセスを理解し、スタートラインに立てるように、円滑な就職活動を促進する。これによって、より幅広い業界での就職を可能にさせ、少子高齢化により労働力の衰退が予測される日本にとっての労働力不足の改善の一助となることを期待する。

②留学生のネットワークづくり：
本プロジェクトを通して、元拓殖大学留学生が活躍されている姿を紹介し、現役留学生に自信と誇りと目標を持たせると同時に、元留学生と現役留学生との架け橋を作り、孤立しやすい留学生のネットワークを広げ、幅広い人脈の構築を期待する。

③拓殖大学の就職支援のアピール：
本プロジェクトは昨年のプロジェクトと同様、最終的に編集した情報を動画サイトやSNSを通じて公開する予定である。本プロジェクトの公開は拓殖大学に充実した留学生サポート体制があることを国内外にアピールすることができる。また、拓殖大学のこうしたサポートにより、現役留学生と元留学生とのネットワークが建築され、この幅広い人脈の構築がのちの就職にも有益となることを気付かせることができる。このような一連の相乗効果は、拓殖大学に対しての好感度にもつながり、強い宣伝効果が期待できる。

実施期間

平成29年7月2日～平成29年9月15日

7月10日　アンケート調査実施開始
7月中旬　インタビューの日程を調整
8月上旬　インタビュー実施
9月上旬　動画編集
10月上旬　プロジェクトの完成披露会

企画経費

総経費　129,278円　　奨励金利用額　129,278円

メンバー一覧