最終報告書

拓殖大学・
中国人留学生の物語

  • 団体名 中国人留学生会
  • 代表者 商学部 国際ビジネス学科 2年 袁子堯
  • 参加メンバー人数 15名

実施スケジュール

平成30年6月28日~11月10日

6月28日文京キャンパスでの撮影
6月29日渋谷での撮影
7月4日拓殖大学を受験するための準備シーンを撮影
7月6日日本新華僑通信社の社長との撮影
7月23日新宿での撮影
7月28日新宿での撮影
7月29日エリート日本語学校での撮影
8月3日八王子での撮影
8月5日八王子での撮影
8月8日池袋で撮影についての勉強会
9月9日池袋で動画編集についての勉強会
9月1日動画編集期間
10月19日紅陵祭でドラマを公開
11月10日中華人民共和国大使館教育所 「日中40周年」発表会参加

実施内容・成果

 2017年は日中国交正常化45周年、日中友好平和条約40周年の年です。この2つの記念日を誇りに思いつつ、またさらなる日中友好の歴史をこの拓殖大学を中心に続けたいと思い、このプロジェクトを始めました。
 またその理念の実現のために、拓殖大学の中国人留学生に日中友好を実現するための諸活動をするモチベーションを高める必要があると感じ、日本における中国人留学生の歴史のドキュメンタリー作品を制作することを決めました。その作品を多くの中国人留学生が視聴すれば、モチベーションが高まると期待して活動を開始しました。以下に、具体的な活動を記します。
 6月から9月までの間に日本大学芸術学部の中国人留学生会との共同撮影を行いました。序盤、撮影は順調に進みましたが、途中から双方の言い分が食い違うようになり、口喧嘩を繰り返すようになり、ついには解散という言葉まで聞こえてくる有様でした。
 しかし、出演者とのインタビューが終わり、撮影全体の完成も見えてくると、みんなの顔に笑顔が浮かんできました。最終的に撮影が完了する頃には、我々はかつての不和を忘れ、ともに喜び合いました。
 9月から動画編集に入りました。場面の切り替え、字幕などの編集は、学生たちの手によって順調進められました。しかし、ナレーションの録音・挿入に困難を極めました。

6月29日、渋谷で歩き「迷い」を撮る。撮影は日本大学の学生。
7月6日、日本新華僑通信社で撮影する前の指導する場面。

 当初は、ナレーションも我々の手で作成する予定でしたがうまく行きませんでした。そこで、中国本土の動画編集会社に依頼をしました。しかし、労力のアウトソーシングは容易だと考えていましたが、これが技術の内製化と同様に困難であることに気付かされました。本国の会社と電話でこちらの意見を伝えるのに困難を極めました。最終的に、何度も会社とコミュニケーションを重ねたことによって、作品を完成させることに成功しました。以上の活動を通して得られた成果として、3つが挙げられます。
 1つ目は、拓殖大学の八王子国際・文京両キャンパスの学生の交流が増えたことです。ドキュメンタリー作品を制作する過程において、両キャンパス間を何度も行き来しました。そのため、我々、メンバーのそれぞれ友人関係は大幅に高まりました。その友人は、日本人、中国人を問わず、増えました。故に、我々はこの出来事が、拓殖大学内の国籍を問わない連帯感を高めた大きな成果であったと確信しています。
 2つ目は、他大学の中国人留学生のネットワークが構築されたことです。彼らと友人関係になれたことはもちろんのことながら、「もっと中国人留学生のモチベーションを高めたい」という我々と同じ志を持つ学生と行動をともにできたことは大きな成果だと考えます。彼らとは、それ以来、連絡を現在も取り合っており、中国人留学生のモチベーションを上げるための活動を、複数の大学でできないかと常に計画しています。

8月3日、八王子国際キャンパスで在学様子を撮る。
「中国の新聞を読んでいます」
11月10日、中華人民共和国大使館教育所でメンバーたちが集合、準備。

 3つ目は、日中両国の友好関係の構築に中国人留学生が関われる様になったことです。我々が精力的にドキュメンタリー作品を制作しているさなか、突然の朗報がもたらされました。なんと、我々の活動が在日中国大使館に伝わり、その活動に感銘した大使館員の方々が、拓殖大学中国人留学生会は拓殖大学の正式団体として、我々を中国大使館から2018年10月7日に中国大使館及び外務省が参列する「日中40周年」という催し物に招待してくださったのです。そこで、我々は大使館員の方々に「日本の大学の学修環境の良さ」、特に「拓殖大学の学修環境の良さ」「中国人留学生に対する、学生・教員たちの温かい気遣い」を訴えました。その結果、大使館員の方は我々の言葉を貴重な意見として関心を持って聞いてくださり、さらには「大使館としても日本にさらに我が国の留学生を招待するつもりである」という意向を我々に示してくれました。実際に留学生が増えたか、というその成果は未来を待たねば確認はできませんが、もし増えたとするならば、そこでの我々の行動がその成果に寄与したであろうということを確信しています。

11月10日、中華人民共和国大使館教育所で今度の活動について、発表する様子。

反省点など

 今回の我々の活動において反省する点が3つあります。
 1つ目は、日本新華僑報の代表取締役、蒋豊氏へのインタビューにおいてです。蒋豊氏へのインタビューにむけて我々は、20年前の中国人留学生の勉学への姿勢と生活についての克明な事実を把握できるように、的確であると思われる質問を準備して臨みました。インタビュー当日、我々の質問によって、想像する以上の有益な答えを蒋豊氏から得られることができました。しかし、蒋豊氏の有益な答えに対し、我々はそれに関連する質問をその場で考えてレスポンスすることができませんでした。インタビュー中も、臨機応変にインタビューを充実したものにするための返答を考えていたのですが、インタビュー終了までに発言に足るものを考えつくことができませんでした。ひとえに、この失態の全責任は、インタビューの質問役を担当した私、袁子堯にあります。
 2つ目は、日本大学芸術学部の中国人留学生会との交流においてです。彼らは我々が行う本プロジェクトと類似のものを計画しており、当初は、交流を通して、お互いに有益になる活動をし、お互いの情報・技術を提供し合う予定でした。しかし、交流当日は、ただ一方的に彼らの要求に応えるばかりでした。この交流の結果は、彼らの行動に非があるとも考えられますが、自らの組織の要求を明確かつ簡潔に伝えられなかった、我々にも非があります。この失敗を通して我々は、複数の組織が協力せんとする中で生まれる不和には、双方に原因を探る必要があることを学びました。
 3つ目は、組織の人員配置においてです。我々はメンバー同士でスケジュールを共有していました。そのスケジュールを基に、総勢16人のメンバーがいつも集まることができないことを覚悟しながら、なるべく多くの人が参加して組織の最大限の力が発揮できるように活動の日程を設定していました。しかし、日々の活動にメンバーの能力の多様性に驚かされながらも、その能力を適切に管理できませんでした。あるときには過剰に、あるときには過少にメンバーが集ったときも多々ありました。活動する日ごとに求められる能力が違う中で、その時々に適切な人員を配置できたかは、プロジェクトを通して疑問が残るところです。

会計報告

  • 支出総額 122,565円
  • 活動資金 120,000円
内 訳
項 目小 計
委託費動画編集40,000円
賃借料レンタカー30,240円
備品費カメラacc、usb、SDカード デジカメ接続機器24,507円
会合費日本新華僑報と拓殖大学の先生日本大学の先生へのお土産4,494円
資料雑誌費動画編集、撮影に関する本5,108円
消耗品費印鑑/公的なやり取りため5,319円
交通費電車代9,000円
賃借料駐車場代435円
消耗品費イベントと記入用、画用紙、ノート及びペン897円
合 計120,000円
その他活動資金以外にかかった経費【自己負担分】
消耗品費ガソリン代2,000円
賃借料駐車場代565円
合 計2,565円

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